2022年7月20日

どこの界隈でもたいていそうだろうが、「そのジャンルの神」というものがいる。とにかくフォロワーが多く、他の二次創作者とのつながりも厚く、考察ツイートにも余念がない。そしてそれらは決まって絵描きである。

 

天邪鬼なのでそういう人間を「ケッ」と思う気持ちも無くはないが、マーケティング戦略的にはとても優秀である。何せ多くの人間を先導して立ち、場合によっては公式の見解にも反映される。「神」が推しているキャラクターやカップリングの売り上げがよくなれば、公式にとってもありがたいことこの上ないからだ。公式は味を占め、「神」はさらに声を大きくする。無償インフルエンサーのようなものである。

 

話は変わるが、私が推しているカップリングは本当に人口が少ない。もう少し広げて見ても、そのふたりが所属するユニットで創作をしている人間ですら少ない。今日がちょうどそのユニットのアルバム発売日で、調子に乗っていくつか考察ツイートをしたが、あとになって後悔して消した。「神」の真似事をして考察を喧伝し、己の解釈を広めようとしている自分がひどくダサく思えたからだ。黙って創作物だけアップしておけばよかった。私はそういう存在でよかったはずだ。

 

二次創作ではよく「解釈で殴る」という言葉が使われるが、創作物がリングの上ならそのジャンルに関わるツイートは場外乱闘なのだろう。けれど観客には場外乱闘の方が注目されやすく、リングの上で戦うことだけで勝ち上がる人はごくごくまれだ。そしてそういう人はものすごく創作が巧い。それはもう、プロをも超えるほどに。

 

私はリングの上でだけ戦うには技術が足りず、場外乱闘をするにはコミュニケーション能力が足りない。自分の“好き”を発信することについては本当に不得意である。まずは一年以上「推し」としか呟けていない最推しの女性声優の名前をフルネームで呟くことから始めなければいけないが、ツイッターの外でも「推し」のことを「推し」と呼んでいるため、出鼻をくじかれそうである。もうツイッターコミュニケーションを放棄してもいいかなあ。