2023年1月4日

寝不足の脳が浮腫んでいるのを感じる。中高の部活同期と一軒家を借りて新年会をした。私含め10人のかしましい女たちが、喋るメンツをくるくると変えながら自由に話していた。疲れたら休むし、布教したい漫画があればその場で読ませあうし(私はエジプトBLのことを学んだ)、寝たければ自由に寝るし、おのおののタイミングで帰った。私も久しぶりの夜更かしだったので体調が不安で、早めにおいとました。帰りにストリップ始めをする予定だったけど、劇場でぶっ倒れたら迷惑なので延期することにした。

 

部活の同期たちの、自由な集団形成の仕方が好きだ。『気遣い』はあるけど『気を遣う』ことは少なく、気のおけない仲だなと私は思っている(相手もそうだといい)。気を遣いすぎて道化じみた振る舞いをすることなく、過去や現在に嘘をつくことなく、本当のことだけを陽気に話すことができる間柄がどれほど貴重か、この歳になると一層しみじみ感じる。

 

もう少し体調を整えてから電車に乗った方がいいと思い、クソデカ駅のガストでモーニングを摂り、『52ヘルツのくじらたち』 を読んだ。最近読んだ流行りの本の中ではいちばん中身が詰まっているように思えた。

 

実家を出てからの私の暮らしは、まるで繭の中にいるようだと思った。主人公は被虐待児で、私も家庭に難がある。苦しい環境から逃げ出すことができてようやく掴んだ日々は繭の中で守られているようだ。そういえば実家にいる時も、安心できる場所は布団の中くらいで、罵声が聞こえないよう耳を塞げるようにすっぽり顔を覆っていたことを思い出した。部活の同期たちも、今から帰る家も、存在そのものが私を守ってくれている。私は受けた優しさをきちんと返せているだろうか。食らうだけ食らって何も返せないのは嫌だと思った。