2023年5月28日

何年前のことだったかもう計算したくない歳になってきたが、就活生時代は「絶対に文章を書くことで飯を食わない」と決めていた。幼少期から文章を書くことが好きだったけれど、それと同じくらい「世の中には自分よりもっと才能がある人もいるし、もっと『文章』に賭けている人もいる。自分にはそんな土俵で戦えるほどの才能も覚悟もない」という気持ちがあった。私は戦うことを拒否し、結局ハウスメーカーに入社した。

 

ハウスメーカーに入社し、どうせ営業だろうと思っていたらなぜかマーケティング担当となり、仕事を辞め、紆余曲折あって今がある。今はBtoBマーケティングを担当しているが、いかんせん小さい会社なので、前の会社であれば外注していた作業まで全部自分でやっている。けれど意外と、この作業が楽しい。プレスリリースを書き、ウェブサイトの「お知らせ」を書き、会報に載せる会社紹介を書き、メルマガの文章を書き……、日々何かしら書いている。「書く」ということに心理的負荷があまりかからないのは本当にありがたいが、あいにく他すべての仕事は心理的負荷が高いため、一日の終わりにはいつもぐったりしている始末である。

 

あれだけ固い意志を持って就活していたはずなのに、いつのまにか「書く」ことで飯を食っている。もちろんそれだけで飯を食っているわけではないが、引き寄せられる何かがあるのかもしれない。前回の会社は悲惨だったけれども、今回の会社は、できるだけ長く勤められるようにしたい。